ガボールのマルカンのことについて書きましたが、
ガボール・ナギー本人が製作した作品かどうか判別する方法はないかと聞かれました。
「多分これはガボール本人が製作した作品だと思う」と推測できるようになった方もいらっしゃるみたいでスゴイなーと思います。
ガボールナギー本人が製作したと言われる作品は、いくつか見ましたが、
これといってガボール作であることを見分ける決定打は今のところ見つかりませんでした。
ただ、ガボールナギー氏作の作品に一定の共通項のような特徴も無きにしも非ずです。製作する際の癖といいましょうか。
自分が、当時工房で製作過程を逐一見ていたわけではありませんので、
その辺は作品の客観的な形跡から推測するより他ありません。
それにしてもなぜ、ガボール本人が制作した作品にこだわるのでしょうか。
最近ガボールを集めていた方はガボール氏が実際に全ての工程を制作した作品は物凄く作りが良いと思っている人がいるようです。
しかし、実際のところガボールナギー本人作の作品は出来が素晴らしく良いという物でもありません。ガボールのパートナーだったリード氏が製作したものの方ができは良いと思います。
ガボールナギー氏はクラフトマン(職人)としての功績よりもデザイナーとして功績の方が高いと思います。
デザイナーである以上、自分の考えたデザインを忠実に再現してくれる腕の良い職人が必要です。
だからこそ、生前当時ガボールナギー氏はクラフトマンであるリード氏他パートナーと共に仕事をしていました。
そのことはシルバーだけでなく、レザーアイテムなどにも言えます。
ちなみに、このサイトで紹介しているMarcelo氏もデザイナーです。
当時彼のスタジオには優秀なクラフトマンであったGreg氏が従業員として在籍していました。他にもクラフトマンであったBWLなどにも外注し製作してもらったそうです。
ガボールナギー氏本人が製作した作品は神懸り的に作りが良いという訳ではありませんので、さほど期待しない方がいいと思います。
ただ、いずれにせよガボール氏がいなければこのブランドも存在しなかったわけでして、
その意味ではご本人が製作したものを持ちたいという気持ちはとてもよく分かります。原点って大切ですからね。
よくガボールナギー氏は生前初期以外は酒ばっかり飲んでいて作品なんて作っていなかったと噂されていますが、そんなことはありません。
これもなんかの雑誌で酒を飲んでいるガボールの写真が掲載され、
そのイメージが強烈だったために、噂が噂を呼ぶのだろうなと思います。
酒好きだったのは間違いないですけど、シルバーを一切製作しなかったということはありません。
雑誌とか紙媒体ってイメージを植え付けるには有効ですね。
市販されている品はどれくらい作ったかどうかわかりませんが、
オーダーの入った物を実際に製作していたとのことです。
特に自分の気に入った客には、手作りのシルバーをプレゼントしていたそうです。そういった作品も紹介します。
ガボール本人作の特徴。ホントにちょっとした特徴ですが気付いたことをお伝えします。