ガボールからの伝言

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“ガボールファミリー”という名のブランドコンセプト
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    今の時点で二つのGaboratoryが生まれてその後どうなるのかは分かりません。
    このまま今まで通り二つのGaboratoryが存在し続けるということになるかもしれませんし、経営が厳しくなればどちらかに身売りするかもしれません。ただ一緒になるとしても日本はまだマリア様信仰が強いですしその洗脳が解けるまでかなり時間がかかると思います。仮に旧Gabor inc USAと一本化されるということになれば、現在の日本版Gaboratoryファンは心理的嫌悪感を感じる人もいるでしょう。


    また、アメリカ版Gaboratoryも統一されたとはいえ、パスカル氏が特に何かをするということはなさそうです。ビジネスライクな方ですので、Gaboratoryの権利と名前を貸して実際の業務は従来通り旧Gabor inc USAに任せるのではないでしょうか。わざわざ持っていたGaboratoryの商標を眠らせておくのは勿体無いですからね。


    さて、上記よりブランドが統一するということは権利関係も絡み非常に難しいことが分かりました。今回はそのブランドの根幹であるブランドコンセプトについて考えて見たいと思います。


    シルバーブーム全盛期の生前当時からGaboratoryは“ガボールファミリー”というブランドコンセプトを前面に打ち出しブランド展開を図ってきました。ここでのファミリーと言うのはガボールを中心とした少数精鋭の職人同士の結束を意味していましたが、文字通り血縁と言う意味のファミリー(家族)の意味合いにすり替えることも出来ます。


    製作者を特定せず大量生産されているクロムハーツとは異なり、全ての工程を自ら手がける職人集団であるガボールファミリーが生み出すシルバー。そこに価値を見出すからこそガボールはコアなシルバーファンの圧倒的な支持を得たのです。ガボールナギー氏というアイコンがあったので当時のGaboratoryは少なくとも今よりかは製作者の顔が見え消費者からの信頼とそれに応える製作者側の責任があったように思えます。


    以前にも書いたかもしれませんが、ブランディングと言うのは時間軸をたてに一貫性と連続性を保つことで生まれます。
    ここは重要なところなので繰り返し説明します。
    ブランドは時間軸をたてにした一貫性と連続性が必要です。
    ブランドというのはただ闇雲に広告にお金をかけたり、芸能人が着用したりして出来あがるものではありません。ブランドコンセプトを定め戦略的に時間をかけて構築していかなければならないものです。そしてブランドがブランドたるには必ずある物事をブランディング化する仕掛け人がいるものです。


    権利関係で争い裁判までした現在のGaboratoryのブランドについて考えてみたいのですが、生前当時と現在とでは冒頭でお伝えしたブランドコンセプトの中身が変わっています。
    そのことを説明する前に、ここでひとつ質問です。


    生前当時ガボールファミリーにガボールの家族・親族は入っていたでしょうか?


    詳しい方はご存知の通り入っていませんよね。
    生前当時のガボールファミリーは“ファミリー”と言う名を使っていてもそれは一種の比喩であります。
    家族と同じくらい親しいという意味合いはあっても家族そのものとは異なるものだったのですから。


    現状を観察すれば分かりますが、ガボールナギー氏死後当時の“ガボールファミリー”だった職人は全てGaboratoryを離れました。このことはガボールを中心とした少数精鋭の職人同士の結束が無くなったことを意味します。すなわち生前当時から一貫していた本来の意味でのブランドコンセプト=“ガボールファミリー”は崩壊したのです(一貫性の断絶)。裁判資料にも書かれている通りブランドが一時期活動を停止したのもこの時期です。


    生前と死後においてブランドそのものが同一のものであると言う一貫性を保つためにはある部分を巧妙に変えなければなりません。
    それが“ファミリー”という言葉の意味です。
    “ガボールを中心とした職人の結束”から“血縁関係”へ
    生前時代から続いていたブランド展開を死後も継続するためには、昔から謳っていた“ファミリーの絆”というスローガンを氏亡き後も徹底して繰り返す事で周知させなければなりません。“ガボールを中心とした職人の結束”から“血縁関係”へと元来のファミリーの意味合いを変えてでも一貫したブランドコンセプトを守ろうとしたのはそういう意味です。そうでなければ時間軸で見た場合ブランドの連続性が図れないのです。


    これは生前当時から現在まで続く時間軸をたてにしたブランディング戦略の一貫です。しかも血でつながったものは原始的ではあるが非常に強い。
    強力なブランディング効果が生まれます。


    ガボール生前初期シングルスカルダガー画像


    生前当時と同じものが今も続いている。
    このことを維持しなければブランドが崩壊しかねないのです。
    かんたんに言えば商売が出来なくなる


    現在正規店の定員さんに
    「生前のガボールと現行のガボールは何が違うんですか?」
    と質問してみてください。


    恐らく店員さんは
    生前も現行も同じガボールです。」
    と言うのではないでしょうか。


    (そうは言っていても店頭に生前非売品が並べられてあったり、売り物である生前作品が現行品より値段が高いのは日本特有の本音と建前というヤツでしょうか?生前と現行が同価値であったなら同価格帯で販売するわけで非売品なんて物は存在しないはずですからね(^▽^)。)


    生前作品と現行品を別物として一線を画すことを極端に嫌うのは上記のような理由からです。


    今も尚効果的なように時間軸で構築したブランド戦略は強力です。
    生前時代は当然Gaboratory internationalもGabor inc USAも存在しません。
    時間軸を盾にしたブランディングは強力で後発組は覆せないのです。

    例えば創業300年京都の老舗のお茶というブランドに最近出来た後発のお茶のブランドが勝てないのと同じです。300年の間今でも代々続くと言う部分はそれだけで独自性を持ちますからね。

    生前当時からガボールファミリー(職人)が結束して行っていた全行程を
    現在もガボールの全てを受け継いだ妻(ガボールファミリー=親族)が頑なに守り通している。こんな表現どこかで目にしたことがありませんか?
    ファミリーの意味合いを変えることで極自然で流れるような印象を与えています。違和感が無いことが重要です。生前当時からのブランドコンセプト=ガボールファミリーは変わりませんがその意味するところは大きく変わりました。


    図で表すとこんな感じでしょうか。

    【ガボールファミリー=一貫したブランドコンセプト】

    生前Gaboratory(ガボールファミリー=ガボール中心の職人の結束)

          ↓
    <生前から現行までの一貫性・連続性の維持>
          ↓

    死後Gaboratory(ガボールファミリー=親族・血縁関係

    このロジックからすると
    生前のGaboratory=死後のGaboratoryという形で形式上はブランドコンセプト(ガボールファミリー)は守られるわけです。元々のファミリーの意味合いを変えてしまっているのですから。

    パスカル氏とマリアナギー氏の争いの根源はこのガボールファミリーと言うブランドコンセプトの意味を生前時と死後で意図的にすり替えたことに端を発しています。

    生前ガボールファミリー=ガボールを中心とした職人の結束≠親族・血縁関係

    奥さんはシルバーやレザーを扱う職人でもなんでもないわけですから元々のガボールファミリーだった人間からすると不自然なわけです。

    生前当時のガボールファミリーのことは当時内部にいた人物や関係者複数人から話を聞くのが一番早く正確です。彼らはもはやGaboratoryを離れ何の利害関係も無い人たちですから、第三者の視点から当時のことをよく話してくれます。


    今のガボールが一体どこで誰によって作られているのか?と言う疑問に対してもこのガボールファミリーという言葉の変容がネックとなっています。
    ある人はこんなことを言うかもしれません。
    「作っているはマリアさんと信頼の置ける少数のガボールファミリー。」
    しかし、多くのファンは既にうすうす気づいてしまっているのです。
    奥さんは昔からシルバーなんて作ってませんし、デザインもしていませんし、当時の職人もすべていないと。 じゃあ誰が作ってるのかと。
    生前当時のガボールファミリーにいた人たちの証言とは正反対のことを言われるため上記のような疑問がわいたりするのです。


    ブランドは時間軸をたてにした一貫性と連続性が必要と言うことをアメリカ版Gaboratryについて見てみましょう。
    ガボールナギー氏死後、元ガボラトリーのスタッフだったスティーブガーラック氏らが中心となりGaboratory Internationalを立ち上げました。
    立ち上げ当初はインターは割と好意的に迎えられていたと思います。
    これは生前時からの一貫性を保とうと元ガボラトリーの職人集団と言う点を大きく打ち出した事が功を奏したと言えるでしょう。
    しかし1点困ったことがありました。それはやはり生前からのブランドコンセプトであるガボールファミリーという言葉です。


    Gaboratory International製ラージスカルリング


    生前当時はガボールナギーと言う偉大なシルバースミスが存在し職人を取りまとめていましたが、ガボール氏死後、ガボールファミリーは家長役であるガボールのいない職人の集団になっています。

    生前Gaboratory=Gaboratory Internationalと言うためには
    ガボールファミリーというブランドコンセプトの意味を生前と死後で同じものだと言わなくてはならない。しかしながらスティーブは元来ガボールファミリーではありません。親族・血縁関係者でもありません。


    ガボールを中心とした職人集団≠スティーブを中心とした職人集団。


    このように生前当時から一貫していたブランドコンセプトはどうあがいても一貫性を保つことが出来ません。(血縁関係)と(ガボールのいない職人集団)のどちらがファミリーと言う言葉にシックリ来るかという言語感覚的な争いも結果を待つまでもありませんでした。

    このように、氏亡き後どちらが本当のGaboratoryかをめぐってインクインターは争いますが、ご存知の通り血縁関係という強固なブランディングにガボールのいない職人集団インターは破れます。主亡き後の職人集団は主の名を冠したブランドコンセプトとは一貫性を欠いていたのです。
    デザイン自体も生前作品と一貫性を欠いていたのも大きなマイナス要因です。
    その後旧Gabor inc USAに移り、現在のアメリカ版Gabortory incへとなるわけですが、ブランド名だけを見ても生前当時からの一貫性がかけていることが分かると思います。


    図で表すとこんな感じです。
    【ガボールファミリー以下GF=一貫したブランドコンセプト】

    生前Gaboratory inc (GF=ガボールを中心とした職人の結束)

    Gaboratory International (GF=スティーブを中心とした職人集団)

    旧Gabor inc USA (GF=???)

    アメリカ版Gaboratory inc. (GF=???)
    ガボールと聞くと二つに分かれたガボールについて自然とマリア側を思い浮かべてしまうのはこの様な時間軸をたてとした日本版Gaboratoryの一貫したブランディング戦略が功を奏している証です。
    でもこれはある意味運が良かったと言えるのかもしれません。
    なぜなら、もしガボール氏が独身だったらこの“血縁関係”という意味でのファミリーは使えなくなっていたのですから。
    これはマリア氏が亡くなり後継者がいないと言う状況になっても同じです。
    ブランドを存続させるためにも無理やりにでも奥さんを引っ張り出さなければならなかった事情があったのかもしれません。
    もしマリア氏がいなかったら今の日本版Gaboratoryは現在の地位を確立できたでしょうか。
    全く聞いたことも無い職人が作る日本版Gaboratoryの商品を購入したいと思ったでしょうか。
    興味のあるところです。


    ガボールナギー氏死後、彼に携わっていた職人の多くが独立する際、Gaboratoryとの関係を強調する形でブランディングを図りましたがその多くは上手くいきませんでした。
    理由は簡単で上記に書いたように生前のGaboratoryでの仕事と現在の独立した後の仕事を時間軸で見てみると一貫性が無くブランド自体の連続性も無いからです。今成功しているガボールとかかわりのあったデザイナーや職人達は独自のUSPを確立しガボールと仕事をしていたことはそれに付随する形でのPRに留まっています。


    血縁で結ばれたファミリーと言うコンセプトはともすると簡単に崩壊しかねない危うい側面を持っているということが上記から分かると思います。
    例えば皇族の皇位継承問題からも推測してみて下さい。
    強固なブランドの基盤を作るには偶然などに左右されないものをそのコンセプトに定める必要があります。

    ガボールナギー氏がこの世にはいない以上、以前からのブランドコンセプトをそのまま継承することは土台無理があります。新生Gaboratoryがもし誕生するのであれば、過去にとらわれすぎているという批判を覆す為にも生前当時とは全く異なるブランドコンセプトの確立が求められます。
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